一般歯科治療(虫歯・歯周病) general

EARLY ACTION IS IMPORTANT 虫歯は痛みを感じる前の
対処が重要

歯を長持ちさせるためには、できるだけ治療をしないことが1番です。しかし、お口の中の菌をなくすことは難しく、健康な方であっても1,000〜2,000億個もの菌が存在しているといわれています。どんなに丁寧なお手入れを心がけていても、虫歯にならない保証はありません。

虫歯は、痛みを感じてから歯科医院にくる方が多いイメージですが、それでは歯を長く持たせることが難しくなります。何十年も使い続けたいのであれば、痛みを感じる前の対処が必要です。

虫歯の進行と症状 PROGRESSION AND SYMPTOMS

  1. 脱灰・初期う蝕

    C0とは、菌が出す酸によって歯の表面が溶かされ、脱灰した状態を指します。見た目は少し白っぽく、痛みはありません。鏡をみても気づかない方がほとんどです。

    丁寧なお手入れを続けることで、唾液による再石灰化効果による自然修正が見込めます。歯科医院でおこなうフッ素塗布には、再石灰化を促進する効果があるため、虫歯の進行が早い乳歯にはとくにおすすめです。

  2. エナメル質う蝕

    C1とは、虫歯がエナメル質内にさらに進んだ状態を指します。よく見ると穴は開いていますが、まだ痛みをともなわないため、気づく方はほとんどいません。治療は、基本的に麻酔なしで行います。

  3. 象牙質う蝕

    C2とは、虫歯がエナメル質の奥にある象牙質まで進んだ状態を指します。象牙質には神経につながる細かな管が存在するため、この時点でようやく痛みを感じはじめます。治療には、麻酔が必要です。

  4. 歯髄う蝕

    C3とは、虫歯が象牙質の奥にある歯髄まで進んだ状態を指します。歯髄には神経が存在するため、かなり強い痛みがでるケースも珍しくありません。歯が痛くて急いで歯科医院に来られる方の多くが、このC3のケースです。治療では、麻酔をして神経を取る処置を行います。

  5. 残根状態

    C4とは、虫歯によって歯の頭の部分が溶かされ、根っこだけが残った状態を指します。歯髄はすでに死んでしまっているため、基本的に痛みはありません。しかし、歯の組織全体が感染しているため、早めの対処が必要です。治療では、主に抜歯が選択されます。

虫歯の治療法

CR充填

CR充填とは、プラスチックの素材を使った治療法です。主にエナメル質う蝕であるC1に行われます。虫歯を削った後に樹脂を流し込んで、専用の光を照射して固めます。歯の色に似た白い詰め物をするためほとんど目立ちません。

しかし、他の素材にくらべると脆く、長年使うことで変色する可能性があります。治療は1日で終わることから、忙しい方でも受けやすい処置といえるでしょう。

インレー

インレーは、部分的な詰め物です。CR充填とは違い、型取りをして詰め物を作製する必要があり、主に象牙質う蝕のC2に行われます。保険適用の治療では素材として銀が使用されることが多く、下の歯に詰めるとお口を開ける際に目立ってしまう恐れがあります。

保険適用外の素材であれば、天然歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりにすることは決して難しくはありません。審美性を高めたい方は、素材や色を自由に選択できる自由診療がおすすめです。治療は、基本的に1回目で型取りまで行い、2回目で合着して終了となります。

クラウン

クラウンは、全体の被せ物です。主に神経処置が必要なC3に行われ、インレーと同じく保険適用と保険適用外が選べます。治療は、神経処置をした後にまず土台となる部分を作製し、次に土台の形を整えて被せ物の型取りをし、出来上がったものを合着する流れとなります。神経処置の回数を省けば、治療回数は2回〜3回です。

ROOT CANAL TREATMENT 虫歯菌が神経に達したら
根管治療が必要

虫歯が神経まで進行したC3の状態では、神経を抜く処置である「抜髄根管治療」が必要です。過去に抜髄根管治療をした部位が再び感染したときは「感染根管治療」を行います。

はじめの抜髄根管治療の仕上がりによって、感染根管治療が必要になるかどうかが決まるといっても過言ではありません。根管治療は、歯にとって負担の大きい治療です。リスクを避けるためにも虫歯の早期発見・早期治療を心がけましょう。

PERIODONTAL DISEASE TREATMENT 歯周病は早期発見・
早期治療が大切

歯周病は、歯の周囲にある組織が菌に感染する病気です。成人の約8割が罹患しているといわれており、目立った痛みがないまま進行するため、気づかない方も珍しくありません。歯を失う可能性が高い病気ですが、そのほか口臭が強くなったり、全身疾患を誘発したりなど、健康に大きく影響することがわかっています。

軽度をあらわす「歯肉炎」の段階で治療できれば、歯を失うリスクを大幅に下げることが可能です。歯茎だけでなく歯を支える骨にも感染が広がった「歯周炎」になると、治療が難しくなり、歯を失うリスクも高くなります。

TYPE OF SYMPTOMS こんな症状ありませんか?

  • 歯磨き時に
    歯茎から血が出る

  • 歯茎が
    腫れている

  • 歯茎から膿がでる

  • 口臭がきつい

  • 歯がぐらつく

SYSTEMIC DISEASE 歯周病
全身疾患の関係

歯周病で歯茎の炎症がおこると、毒性物質が発生し、血液をとおして全身に送られます。
その結果、さまざまな病気や症状が引き起こされることが分かっており、命を失う危険性もゼロではありません。

  1. 血管障害

    毒性物質により動脈硬化が引き起こされ、その結果脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高くなります。血栓部分に歯周病菌が検出された例は、決して珍しくはありません。

  2. 認知症

    血管障害が原因で認知症になる場合もあります。生活が困難になるため、周囲の協力が必要不可欠になります。

  3. 糖尿病

    歯周病の影響でインスリンの働きが悪くなり、その結果糖尿病が引き起こされます。歯周病と糖尿病は、相互で悪化の原因になるため注意が必要です。

  4. 早産・低体重児出産

    炎症物質が発生することにより、陣痛が促進され、早産や低体重児出産を引き起こします。ホルモンのバランスが変化する妊娠中は歯周病になりやすいため、とくに注意しなくてはいけません。つわりの影響でお手入れが難しくなることも、原因のひとつとされています。

  5. 誤嚥性肺炎

    誤嚥性肺炎は、お口の中の菌が食べ物と一緒に胃ではなく肺に入ることで引き起こされる病気です。飲み込む機能が低下した高齢者に多くみられ、死亡率も高いことからセルフケアや予防の重要性が注目されています。

歯周病の治療法

  • スケーリング

    スケーリングとは、機械や器具を使った歯石除去を指します。歯石は歯周病が悪化する原因で、とくに歯茎のなかに入り込んだ歯石は早めに取り除かなくてはいけません。

    基本的に機械を使って除去しますが、知覚過敏の症状がでることがあり、痛みが強い場合は手用の器具に変えて行います。歯石が多く付着していると、その分除去に時間がかかり痛みも出やすくなるため注意が必要です。

  • PMTC

    PMTCとは、歯科衛生士や歯科医師といったプロが行う機械的清掃方法を指します。歯石除去よりも歯面研磨を重点的に行うため、歯の着色が多い方にもおすすめな方法です。2段階で磨き、汚れのつきにくい状態に仕上げます。

  • TBI

    TBIとは、歯科衛生士がおこなうブラッシング指導を指します。患者様一人ひとりにあった磨き方をお伝えするため、気づかぬうちに身についた「磨き癖」の解消にも効果的です。

    正しい磨き方が身につくことで、虫歯や歯周病予防につながります。TBIをお受けになるときは、ぜひ普段お使いの歯ブラシをご持参ください。